ヨコハマ・国際仮装行列・前夜祭    

         

霧雨に煙るイセザキモール

5月2日、夜7時5分

静かに濡れて

人を 街を 昼間のその喧騒を

癒すように包み込む 黙した街路

 

突然

雷鳴が轟きわたる

刺すような光線 激しい交叉

周囲を震わす 不気味なディスコ・ミュージック

金や銀のレオタードに身を包まれた

娘たち

そして

乱舞!

乱舞!

 

音楽がビートを刻む毎

金の足が

銀の胸が

激しく揺れ

妖しく輝く

 

真っ赤な唇とその黒髪が入り乱れる

娘の表情には

歓喜と恍惚とが混沌とし

濡れた視線で

私を超える

 

舞台は

立ち止まる私の前を

行きすぎてしまう

過ぎ去った年月への切なさと

彼女たちの刹那への

狂おしいまでの羨望だけを残して

  

          「ハマ文芸」20号(95年3月1日刊) 所収
   
       
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